ピョートル・トドロフスキー監督、149分。
主人公のターニャは、外国人相手の娼婦と看護婦の二重生活をしている。客のスウェーデン人から求婚される。喜んで応じるが、国外移住のためには煩雑な手続きが要求される。基本的に外国に移住するなという風潮が社会にある。
特に父親の承諾書が必要と言われる。何十年も前に自分と母を捨てていった男である。行って話すが、困窮している父親はカネを要求する。日本人の客をとり稼いだカネで父に承諾書を書いてもらう。
憧れのスウェーデンの生活。車を買い、立派な家で贅沢な暮らしができる。ある日たまたま、ロシヤ人のトラックの運転手に会う。母親と同じアパートの住人だった。家に招き故郷の話をし、母親への言付けを頼む。夫は後から、勝手に自分の家に他人を入れるなと注意する。
夫との仲が良くなくなっていく。ロシヤ人の女に会う。やはりこちらの男と結婚したものの、別れ外国へ行って儲けるつもりだと言う。
ロシヤ時代の友人がドル、ルーブルの換金で捕まり、その際ターニャの名を出したことから警察はターニャの母親宅を訪ねる。母親は娘が娼婦をしていたと知る。周囲から嫌がらせを受けるようになる。倒れ危篤となる。ターニャは母の元へ戻ろうとする。夫はそんな国へ行くなと止めるがターニャは振り切り空港へ向かう。
公開当時、末期のソ連では大ヒットしたとのこと。外国への思いや現実を描いたことだろうか。観ていて『リリア、4-ever』を思い出した。少女は荒廃した故郷から逃げ出し、スウェーデンへ向かうものの現実は更に苛酷であった。調べるとリリアの方は2002年の映画だった。だから本作の方が先である。脱線ながらリリア、を観た時は『魂のジュリエッタ』を思い出したものである。
邦題にある「令嬢」とは全く縁のない話。原題を調べたら英語でInter-girlが直訳だそうである。
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