2018年7月23日月曜日

未来への伝言 Шаг 1989


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アレクサンドル・ミッタ監督、111分。

昭和30年代半ば、猛威をふるっていた小児麻痺の治療薬が、ソ連から超法規的措置で輸入されたという史実に基づく。
主演は母親役の栗原小巻で、日本が舞台になっている場面が多く、今回の国立FAのロシア・ソビエト映画祭の上映の中では異色作である。

長男を小児麻痺で失った栗原は、下の子が心配である。小児麻痺の治療薬の効果が不確かで数量も全く足りなかった当時。ソ連で経口薬の生ワクチンが開発されたと聞き、輸入、承認を厚生省に陳情するも聞き容れられない。栗原は病気の子供を持つ母親の代表として、資金を集め自らの子を連れてソ連に飛び立つ。子供たちにワクチンを投与している。栗原の子にも飲ませる。その様を日本の報道陣が映していた。後で問題になる。サンプルの薬は関税で没収される。

仲間の女たちと輸入会社を設立する。やってきたソ連の博士は一家庭内の会社に驚く。厚生大臣にも陳情に行く。既存の薬を製造している日本の会社は妨害しようとする。厚生大臣の決断で輸入が決まる。しかしほとんど輸入は不可能となる条件がつけられた。
一方ソ連内の製造研究所も、日本への薬製造のみに従事してよいかと侃々諤々の議論となる。昼夜兼行で製造に励む。しかし日本からの条件をみて輸出は無理かと思われた。空輸で輸送を考える。しかし制度上無理である。これを違法的に使う。日本接近中、台風が襲う。飛行機は激しく揺れ、ワクチンの薬は粉々に飛び散る。飛行機は墜落、炎上する、とこれは同乗している博士の夢だった。

全体は実際に基づくものの、細部は創作で、どの部分が事実か、創作かはわからなかった。
監督のミッタは栗原を主演にした『モスクワわが愛』を1973年に撮っている。

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