2026年2月22日日曜日

ブロードウェイ Babes on Broadway 1941

バスビー・バークレー監督、米、118分、白黒映画。ミッキー・ルーニー主演のミュージカル映画。邦題だけ見るとブロードウェイが舞台の映画に見えるが、ルーニー扮する少年が何とかしてスターに上り詰めようとする映画である。ルーニー含む三人組は食堂で歌と踊りを見せる仕事をしていた。そこにたまたま来ていた婦人に芸能事務所に来いと言われ、そこに行くとその婦人は仕事をしていた。大物製作者の前で内輪のオーディションをするから来たらと誘われる。三人は有頂天になってみんなにオーディションを言いふらす。

その時に会ったのが失意のジュディ・ガーランドで、ルーニーは励まし仲良くなる。オーディション会場に行くと山のような人だかりで三人は、はなから無視、落とされる。ガーランドは友人と共にセツルメントで働いており、そこの子供たちを田舎に連れて行きたいと思っているがうまくいかない。ルーニーは自分の売り出ししか考えていない男だが、子供たちを利用できるとなれば田舎行きにも協力する。これはイギリスからやってきた子供たちも同様に利用しようとするところにも現れている。イギリスの子供たちが祖国の親との国際電話による会話などの場面は、当時ドイツと戦っていたイギリスへの応援の意味がある。その後紆余曲折があって最後には舞台で成功するのはお決まりの筋。

イプセン『小さいエヨルフ』 Lille Eyolf 1894

イプセンの戯曲。三十代の夫婦の間には幼いエヨルフという子がいる。以前テーブルから落ちて脚が不自由である。夫の妹がいる。更にその妹に恋する技師がいる。エヨルフは夫婦二人にとって重荷である。そのエヨルフが湖に落ちて死ぬ。

その後の夫婦の精神的葛藤が描かれる。別れるのか、あるいは妻の方は夫がなくては生きていけないと言い、妹と夫の間にも嫉妬している。最後はやり直そうとなるが、それまでの夫婦間の心の様子が見物の戯曲である。

2026年2月19日木曜日

群狼の街 Try and get me 1950

サイ・エンドフィールド監督、米、92分、白黒映画。主人公には妻と幼い子供がいる。カリフォルニアに仕事を捜しに来たが、見つからず失業のままである。ある時声をかけられた男から持ち出されたのは犯罪の協力であった。初めは躊躇するが他に仕事もなく引き受け、運転手の役をする。

幾つかの強盗の後、若い男を誘拐して身代金をせしめようという話になる。ところが主謀者である同僚はその男を殺して池に沈めてしまう。これで主人公はすっかり落ち込みノイローゼになる。そのせいである時、自分のした犯罪を告白してしまう。聞いた者はさっそく警察に通報、逮捕される。男は自分のしたことは死刑に値すると感じている。新聞が悪事を書き立てたので、怒った多くの群衆が拘置所に押しかけ、私刑をする気になる。このような事態を招いた新聞記者は痛く後悔する。

江馬一弘『電子を知れば科学が分かる」ブルーバックス 2025

 原子の構成要素であり、素粒子である電子の観点から見た科学の解明。電子がどのような働きをしているか、分かりやすく説明している。内容の幾つかは他の本で読んだ話題であるが、それを電子の働きとして説明しており、興味深く読めた。もちろん初めて知った内容も多い。また当然ながら理解が十分できていないところがある。個人的には半導体でPNPとかNPNとかいう型があるのは従来から知っていたが、その仕組みについての説明は理解が進んだと感じた。

2026年2月18日水曜日

サブスタンス The substance 2024

コラリー・ファルジャ監督、仏英米、142分。デミ・ムーア主演。ムーアはかつては人気女優で,50歳になった今までテレビのエアロビクスダンス番組をやってきた。しかしたまたま耳にした、製作者のもう歳だから止めさせようという意見に衝撃を受ける。

配達された手紙によれば若返りが出来る薬があると言う。初めは無視していたが、それを見直し申し込む。ある建物の中の部屋に行くと自分の番号の引き出しがあり、そこに紙箱があった。帰宅し、出して注射する。すると強烈な経験をし、ムーアの背中が割れて、そこから若い女が出てくる。これが若返ったムーアであり、交替してその身体を経験する。若い女はスーと名乗り、たちまち人気が出て、新しいエアロビクス番組はヒットする。ムーアは自分の身体に戻った時、スーの活躍ぶりを見る。

評価されたスーは特番の司会者に抜擢される。忙しくなったスーは指示通りの身体を交替するための諸手続きを怠る。ムーアの身体は老化が進む。スーのずさんな管理のせいで、すっかり老婆になる。このスーを終わらせようとムーアは決めるが、最後に止める。しかし起き上がったスーは、ムーアが自分を殺そうとしていたと知り、ムーアに暴力を奮い最後には息を止める。その後テレビ局に行ったスーは、自分の身体に異変が起きていると知る。帰宅するがスーは怪物になる。それを隠してテレビ局に行き特番で現れる。その怪物ぶりを見せ、血を吹き出して場内の観客に浴びせかけるので大混乱に陥る。最後に怪物から分離したムーアの残骸は、ハリウッドの舗道にある自分の星印のところに行き果てる。その血の跡は後で清掃車が綺麗にする。

2026年2月15日日曜日

不思議の国のアリス Alice in wonderland 1933

ノーマン・Z・マクロード監督、米、77分。ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』の映画化のうちの一つ。アリスは部屋の鏡の前に立ち、その中に入る。鏡の中の部屋は、凡てが反対になっている。このあたり『鏡の国のアリス』かと思ってしまうが、その家を出て庭に来ると服を着て急いでいる兎に出会う。不思議の国のアリスの世界になる。

兎を追って穴に入る。落ちた後、下の部屋で大きくなったり縮んだりするところ、その特撮が戦前なので変わっている。原作を元にした映画が続くが本映画では、ケイリー・グラントとゲーリー・クーパーが出ている。メイクアップのせいでそのつもりで見ないと分からない。この二人の有名俳優が出ているところが本映画の特徴か。

2026年2月14日土曜日

未亡人の殺人計画 A blueprint for murder 1953

アンドリュー・L・ストーン監督、米、76分、白黒映画。ジョゼフ・コットンの姪が正体不明の病気で亡くなる。数年前の兄の死と似ていた。その兄の妻である義姉は、義理の子供である二人の子供の面倒を見ていた。今一人が亡くなり、幼い弟だけとなった。姪の死についてコットンの友人夫妻は毒死ではないかと疑義を述べる。

死体を調べるとストリキニーネの反応があった。もしかしたら、亡兄の死も同じではなかったのか。それなら義姉が容疑者となる。残された子供が共に死ねば財産が一人占めできる。この疑いにコットンは悩む。義姉は残された一人息子をヨーロッパに旅に連れていくという。旅先で殺そうとするのではないか。自分を慕う甥を心配したコットンは同じ船に乗り、二人と旅を共にする。

義姉の鞄の中の薬を見たら毒薬と思われる錠剤が2,3入っていた。それを取り出す。義姉と一緒になった時にこっそり、相手の酒にその錠剤を入れる。義姉が飲んだ後、殺したのはあなたではないかと、コットンは自分の予想を言う。今、錠剤を入れたから助かるためには早く白状して治療を受けろと言うが、相手はなんともない。証拠のため居合わせてもらった刑事も拍子抜けして、コットンともども部屋を出る。自分の疑いは誤っていたのかとコットンは悩む。しかしすぐ連絡があり、義姉は医師に連絡し、すんでのところで助かったと。やはり犯人は義姉であった。義姉は裁判にかけられ、コットンは甥を引き取る。

ルチオ・フルチの新デモンズ Demonia 1990

ルチオ・フルチ監督、伊、88分。中世、修道女が多くの者に捕えられ、磔になり殺される場面から始まる。現在のカナダに飛び、交霊会で一人の女が気を失い倒れる。修道女の磔の幻想を見ていた。その女も一員である考古学者たちは、シチリアの遺跡発掘に行く。そこにある修道院の廃墟では壁の奥に部屋があり、磔の跡と知る。土地の者たちは発掘を忌み嫌う。

別の考古学者に確かめると嫌がらせをされたと言う。その考古学者は何者かに殺される。また発掘隊の二人の男は修道院跡で、落ちて串刺しになって死ぬ。また別の一人は股裂きに会い、身体が二つに引き裂かれる。女の隊員は土地の女から誘われ、過去に起きた修道院での修道女らの惨劇を教えてもらう。修道院跡で発掘隊員らがいる時、町の者が大勢おしかけ、奥の部屋の十字架に死んだ修道女を見る。火をつける。燃える。その下には女隊員が倒れて横たわっていた。

2026年2月12日木曜日

中野重治『五勺の酒』 昭和22年

中野のこの短篇は戦後の状況のもと、語り手の中学校校長が知り合いの共産党員に宛てて書いた書簡の形式になっている。共産党の行動を促すというか、共産党に質問するといった内容である。例えば、昭和天皇が戦後、一般国民に身近に接した際の挿話を取り上げて、共産党員に対応を聞くなどがある。

また自分の身内の兵隊が死んで、妻は未亡人となった。それは悲劇であるが、もっと悲惨な例があった。ともに容姿が優れていた夫婦のうち、夫は帰省できた。しかし傷によって二目と見られぬ容貌になっていた。今後の夫婦生活の苦労を思いやると、死んでしまった方がよかったかもしれないという。

『大江健三郎 柄谷行人 全対話』講談社 2018

「中野重治のエチカ」(1994)、「戦後の文学の認識と方法」(1996)、「世界と日本と日本人」(1995)の3対話を含む。

日本の戦後文学について、これまで外国に評価されてきたのは、日本の美を感じさせる、外国人が期待するところの日本的な、外国にはない、美を感じさせる文学であった。特に三島由紀夫については明瞭である。確かにここでは名が挙がっていないが、良く外国に翻訳されててきたのは、川端にしろ谷崎にしろ、極めて日本ならではの美を感じさせる文学であった。それを大江の小説は、日本文学で初めて日本と意識しない普遍的な文学であると、外国人に言われたという。日本という国の文学でありながら、普遍的な文学をたてる必要があるという主張である。

2026年2月7日土曜日

木村幹『国立大学教授のお仕事』ちくま新書 2025

著者は神戸大学国際協力研究科の教授である。神戸大に30年以上勤めており、自分の職業である大学教授がどんな毎日を送っているか、仕事をしているかを書いた本である。

昔と比べ予算は減り、それで教員数も設備もままならないが、学生数は変わらない。また時代の変化に伴って多くの業務が増えている。それでお金がないからどうやって資金を集めるかの苦労が多い。また過去に独立行政法人となって国立大学がどう変わったかの記述がある。学長の権限が強くなったそうだ。神戸大学は国内の大学の中でも上位にある大学であろう。その実情の一例であり、他の大部分の大学ではもっとひどいのであろう。

2026年2月6日金曜日

ノックは無用 Don’t bother to knock 1952

ロイ・ウォード・ベイカー監督、米、76分、白黒映画、マリリン・モンロー、リチャード・ウィドマーク出演。ニューヨークのホテルに来たモンローは、エレベーター係としてそこに勤める叔父の紹介で、ホテルの客室夫婦の子供のベビーシッターを引き受ける。同じホテルのバーにウィドマークは恋人といたが、恋人は別れたいと言いだす。

ウィドマークは部屋に帰り、反対側の窓の部屋にいるモンローを見つけ、部屋に行っていいかと電話で了解を得る。ウィドマークに会ったマリリンは調子がおかしくなり、以前死んだいいなずけとウィドマークを混同し始める。子供は起きだし、母親の服を着ているモンローを非難する。ウィドマークも真相に気づき、戻ってきた叔父といざこざを起こしているうちに、騒がしいので通報で警備員が来る。もともと精神病院に入っていたモンローは一階に行き、刃物をとって自分を傷つけようとする。従業員が見守る中、ウィドマークが来て、モンローを説得し刃物を取り上げる。救急車が来てモンローは連れ去られる。

2026年2月1日日曜日

ちくま評論選 三訂版 2024

副題に「現代高校生のための思想エッセンス」とあるように、日本の著者たちの論考を多く集めてある。現代の、人間の、考え方の諸問題、あるいは問題として意識にのぼってこないような点について、再考を促す指摘がなされる。確かに勉強になる、新しい視点を与えてくれる論文がある。びっくりさせる文章がある。

ただその一方で、一般的に言えばその通りだろうが、現代の科学、技術の進歩がもたらす問題点を説く文章を読んでいると、正直、陳腐な感じがしてしまう。いつまでも同じ指摘が繰り返されるのはそれがまだ人々に浸透していないから、繰り返すというのだろうか。でもそのような批判は役に立っていないので、今まで変わらなかった訳である。これからできるとは思えない。これは高校生向きの論集であり、高校生ならもっと素直に感心するのだろうか。自分のようなすれっからし向きでないのだろう。

SISU/シス 不死身の男 Sisu 2023

ヤルマリ・へランダー監督、芬蘭、91分。第二次世界大戦末期のフィンランド、ドイツ軍は敗退する際に町などを焼きつくしていた。犬を連れた老人に出会う。老人は金塊を発見し、それを持っていた。ドイツ軍は老人の金を見つけ、奪い取ろうとする。この老人はフィンランド最強の特殊部隊の兵士だった。

ドイツ軍人を何人もやっつける。ドイツ軍は戦車を持ち、多くの軍人がいた。老人の乗っていた馬は地雷で爆破され、バラバラになる。老人を見つけようと兵士らが行くが次々と地雷で死んだりする。老人は川に潜り逃げようとする。追って兵士が川に潜るが殺される。川の向こうに逃げられた。後になってドイツ軍のトラックに乗り込み、兵士をやっつけ、囚人となっていた女たちを助ける。

最後に残った軍人は飛行機に乗って逃げる。老人はオートバイから離陸する飛行機に飛び乗り、飛行機の腹部にしがみつく。つるはしで穴を開け、飛行機内に入る。軍人がやってきて格闘となる。軍人を飛行機から放り出す。飛行機は落下、墜落する。後に銀行に老人がやってきて金塊をぶちまけ、高額紙幣に替えてくれと言う。

2026年1月31日土曜日

矢崎美盛『ヘーゲル 精神現象論』岩波書店 昭和11年

ヘーゲルの『精神現象学』は哲学書の中でも特に難解で知られる。そのため多くの解説書が出ている。その中でも本書と金子武蔵『ヘーゲルの精神現象学』は分かりやすい入門書として知られる。共に古い本であり、この矢崎美盛の書は戦前、昭和11年に出版されている。戦後になって復刻版が出た。

表記が旧式であるが、分かりやすいと定評がある。ただやはりヘーゲルの初心者を対象として、やさしく書かれているため、くどい、冗長であると思うところがある。古い書であるため、今なら自明のことも書いてあるというのが利点である。しかし今ならもう少し分かっていると思う箇所でよく分からないと書いてある。

さまよえる惑星 Missione pianeta errante 1965

アンソニー・M・ドーソン監督、伊、80分、総天然色。地球に天災地変が起こっている。原因は不明の惑星のせいか。調べるため、宇宙ステーションやロケットで計画を立てる。

惑星に近づく。あるロケットは、惑星に飲み込まれてしまった。もう一つのロケットでは空から惑星に、隊員たちが降りる。ここでも犠牲になった隊員がいた。底に降りる穴が開いている。そこから降りる。一人の隊員が犠牲になって他の者を助け、爆破させる。後に地球で、犠牲になった隊員の息子に父親は偉かったと告げる。

2026年1月30日金曜日

黄金時代 L’age d’or 1930

ルイス・ブニュエル監督、仏、60分、発声白黒映画。蠍の生態の説明から始まる。岩場で蠍を採っている男。海辺の岩場にはカトリックの高僧たちがいるが、後の場面では骸骨となって同じ服を着ている。ごろつきのような男たちが出てくる。男が女を押し倒して乱暴しようとするので、人々に止められ連行される。男は犬を蹴り、虫を踏み潰し、盲目の老人を蹴飛ばし馬車で去る。

貴族たちの館。寝台の上に牛がいる。窓からいろんな物を投げ飛ばす。大人と子供がいる。子供がいたずらをする。男は逃げていく子供を中で撃つ。パーティになる。飲料をこぼされたので婦人に平手打ちを食らわせる。人々から出ていけと言われる。恋人の若い女と庭でいちゃつく。演奏中に指揮者はおかしくなり、庭にふらふら出ていく。あの恋人たちのいるところに目が見えないまま行く。女は指揮者に抱きつき、接吻する。

暗闇の悪魔 大頭人の襲来 Invasion of the saucer man 1957

エドワード・L・カーン監督、米、68分。最初は白黒だったが後にカラー化された。見ると1960年代後半の『目玉の怪物』の元の映画である。つまり本映画の再映画化(少しは変えてある)が『目玉の怪物』なのである。

田舎に円盤が着陸する。そこから出てきた宇宙人(大頭だろうがあまり画面にはっきり登場しない)を、恋人同士の乗っている車は轢き殺してしまう。てっきり子供かと思ってみると化け物である。警察に事情を話すが全く信用されない。また円盤着陸については軍は知っていた。周りを取り囲み、交渉を始めようとするが何も円盤からは反応がない。

若い男が車で円盤着陸の近くに行き、宇宙人を見てこれで一儲けしようと企む。友人に話すが全く相手にされない。一人でまた戻る。その途中で轢かれた宇宙人を発見する。これを持っていこうとするが、他の宇宙人に殺される。恋人同士は警察で逮捕される。宇宙人に殺された男を轢いて殺したと思われたからである。警察署から脱走し、元の場所に戻るが、宇宙人の死体はない。車に乗る。その前に死んだ宇宙人の手が車の中に入っていて、二人は驚いて車から逃げ出す。二人は殺された男の友人に会い、その友人を連れて現場に戻る。写真を撮ろうとして灯りをたくと宇宙人は逃げ出す。しかし友人は宇宙人に連れ去られる。また軍は円盤の中に入るため、ガスで外部を焼き開けようとしていたら、円盤は爆破する。恋人たちは他の恋人同士に声をかけ、車の集団を繰り出す。宇宙人に連れ去られていた友人を発見する。

2026年1月29日木曜日

長岡鉄男の日本オーディオ史 音楽之友社 1993

著者の長岡鉄男はかつて非常に人気のあったオーディオ評論家である。この本の中にも書いてあるが、オーディオ評論家という人種はあまりいない。オーディオ全盛期である60年代以降、この本が書かれた90年頃まで同じ評論家たちが活躍していた。長岡鉄男の特色は自作派であり、スピーカーなどは自分で作る。また日本のオーディオを贔屓にしていた。更にこの人のキーワードは、コストパフォーマンスであった。ともかく自作などであまりお金をかけず、お得な製品を推薦するという立場であった。

オーディオは趣味の世界であり、かなりお金をかけて海外製品を求める人もいたし、評論家も高級製品を使っていた。しかし若いオーディオファンにはそんな余裕がなく、長岡のような現実路線がおおいに歓迎された。また自作派を越えて、当時のオーディオ評論家の中で人気があり、贔屓とする人も多かった。

この本は副題に1950~82年とあるように、ステレオLPレコードの登場からCDの登場期までを対象とする。その間に現れた、日本のオーディオ製品、スピーカー、アンプ、プレーヤーなどのカタログ写真を載せ、紹介している。技術的な記述が中心で、その辺の知識がないと十分に読みこなせない。

ベリッシマ Bellissima 1951

ヴィスコンティ監督、伊、115分。娘を映画のオーディションに合格させようと奮闘するステージママを描く。撮影所で幼い少女を俳優として募集している。女主人公は娘を何としても合格させようとする。

いきなり家にやってきて、娘の指導をするという自称女優が現れる。写真を専門家に撮らせないとだめだと聞き、その前に床屋に連れていく。母親がいないうちに見習いの少年が勝手に髪を切ってしまう。母親は監督等に付け届けをしないと合格しないと撮影所の関係者から聞く。その金は大金であるが、母親は渡す。その男はスクーターの購入に使ってしまう。更に後に母親を口説こうとする。女は笑って相手にしない。

娘は一次審査を通り、テスト用の撮影が行われた。そのフィルムを見たい母親は担当者に掛け合う。そのうち相手がかつて映画に出ていた女優だと知る。相手は言う。都合のいい時に呼ばれただけで女優にはなれない、それで今はこんな事務の仕事をしているのだと答える。母親と娘はテスト撮影の場所にもぐりこんで、娘の映画を見る。詩の暗唱はおぼつかなく、つかえ、歌唱では途中で歌詞が出てこず、泣いてしまう。映画を見ている関係者たちは笑う。母親は怒り、その場に怒鳴り込む。娘を連れて撮影所を出て、公園で時間を過ごす。後に監督があの娘を使いたいと言って、担当は母親と娘を捜す。家に行く。父親と交渉しているところへ母親が眠った娘を抱えて戻ってくる。母親は娘を映画に出させるようなことはしない、契約しないと言って映画人を追い返す。

2026年1月28日水曜日

悪夢の家 House of dreams 1963

ロバート・ベリー監督、米、68分、白黒映画。作家はその妻と住んでいる。悪夢を見る。その中に廃屋が出てくる。夢の中で友人が死ぬ。明くる日、連絡がありその友人は交通事故を起こし、夢と同様に死んだと分かる。また夢を見る。廃屋の階段を上ると、首吊りの輪がかけてある。後日また夢の中で、その輪で首を吊っていたのは妻だった。作家は執筆に没頭しており、妻がドライブに行こうかとか遊びに誘っても応じない。妻はノイローゼになる。ある日、作家が帰宅すると妻は縊死していた。

すっかり気落ちした作家は、ドライブに行くと夢の中で見た廃屋が実際にあった。その中に入る。自分が棺に横たわっている。目を開け起き上がる。作家は悲鳴を挙げる。家の前に乗り捨てられていた車を警官が調べている。乗り手は戻っていない。

2026年1月22日木曜日

恐怖の足跡 Carnival of souls 1962

ハーク・ハーヴェイ監督、米、78分、白黒映画。交差点で若者が乗った車は、若い女たちが乗った車に競争しようと言いだす。二台の車は速度を上げ、競争していく。端の上で女たちの乗った車は川の中に落ちる。捜索するが中々落ちた車は見つからない。そのうち、一人の女だけが川の中から現れる。その女はオルガン弾きで、ユタ州の教会で職場が見つかり、そこに行く。

途中で荒廃した遊園地跡に寄ると不気味な男に出会う。下宿を決め落ち着く。夜になるとあの不気味な男の顔が窓の外に見えるので怯える。町に買い物に行く。服売り場で試着した服を買おうとしても店員は知らん顔である。誰も女に注意を向けない。音もしなくなる。まるで誰も女が見えないかのようである。下宿の女将も女がいない筈の男が見えると言うのでいぶかる。教会では想像の中、狂ったようにオルガンを弾くので、牧師は怒る。不気味な男に怯えているので、下宿の隣人の男の誘いを初めは断ったが、食事や飲む誘いに応じる。しかし恐怖に怯える女に愛想をつかす。医者に相談に行ったが、医者はあの不気味な男に変わっていた。女は寂れた遊園地跡で、死人のような者たちの踊りを見る。死人たちは女を取り囲み襲う。その頃、車が落ちた川から引き上げられていた。社内には他の者たちと共に女の死体があった。

2026年1月21日水曜日

伊藤元重『人生で大切なこと 東大名物教授がゼミで教えている』東洋経済新報社 2014

書名だけ見ると処世訓の本かと思うかもしれないが、経済学者である著者がこれまでの学者人生で、どうやって情報を入手し処理し、また成果を出してきたか(本を執筆など)、その方法を披露した本である。

ある程度本を読んできた者には、ここにある指摘の多くは周知だと思う。ただこういう知識は知っているかどうかでなく、実践できたかどうかが重要である。実践してあまり自分には合わないと思ったらそれでいいが、何もせず知っている方法が多いと言ってもしょうがない。

2026年1月20日火曜日

魔性の夏 四谷怪談より 昭和56年

蜷川幸雄監督、松竹、96分、萩原健一、関根恵子、森下愛子、夏目雅子ら出演。浪人の伊右衛門演じる萩原は妻、岩(関根)の父親から嫌がらせを受ける。後にこの父親を斬って捨てる。同じ時、岩の妹(夏目雅子)の旦那と思って、萩原の仲間が殺した男は人違いだった。顔を潰して分からないようにする。関根、夏目が来る。父親、夫が死んでいるので二人とも嘆く。萩原らは仇を取ってやると嘯く。

萩原に恋慕している森下の父親は、娘の希望を叶えてやるため関根を殺そうとする。それで薬と偽って毒薬を関根にくれてやる。関根は顔を崩し、死ぬ。不倫したとして萩原は仲間の一人を殺し、関根の死を正当化する。萩原は森下と結婚するが、初夜、関根の幽霊が出てきて、萩原は森下とその父親を殺す。家は火事になる。

関根の妹である夏目のところへ死んだとされていた夏目の亭主が帰ってくる。夏目を騙していた男は驚く。夏目は姉の関根の薬をもらって飲んでいたと言い、顔が崩れる。夏目の亭主は誤って夏目を斬り、また騙していた男も殺す。萩原は自分が殺した者たちの幽霊に怯えていた。そこに夏目の亭主が来て、斬り合いになり二人ともたおれる。

筒井康隆『ウィークエンド・シャッフル』 昭和49年

若い夫婦の息子がいなくなる。誘拐したとの電話がかかってくる。母親である女は恐慌状態になる。三百万円の身代金を要求されるが、そんな金はない。泥棒が入ってくる。無人かと思っていたのに、女がいるので驚く。泥棒は女を暴行する。

その後、女の友人3人が訪ねてくる。友人らは泥棒を見て女の主人だと勘違いする。泥棒も亭主面をして酒などもてなす。誘拐犯からまた電話があるが、泥棒が出て適当に言って切る。友人らも泥棒が亭主でないと気付き始める。そのうち一人は泥棒と一緒に寝室に入り事に及ぶ。電話がまたあり、今度は亭主の上司の課長からだった。亭主が金を使い込んでいると、妻である女に話す。この家を建てるにもその不正な金を使ったのだ。自分の名を使っているので困ると課長は言う。

警官が来る。それを見て泥棒は逆上し、友人の一人を殺す。警官は女の亭主が交通事故に会って入院していると知らせに来たのだった。更に上司の課長が来る。その課長を泥棒は殺し、泥棒も来た警官に射殺される。誘拐された子供は誘拐犯が嫌になって釈放し、帰ってきた。事故に会った亭主も帰宅し、亭主の盗みは死んだ課長にかぶせればいい、泥棒も死んだので、何もばれない。

2026年1月18日日曜日

恐怖と戦慄の美女 Trilogy of terror 1975

ダン・カーティス監督、米、74分、3話から成るテレビ用映画。いずれも同じ女優が主演を演じる。怖い女、二重人格、怖い目に会う女の話である。最初の話では英文学の女教師を、学生がものにしようと映画に誘う。飲み物に薬を入れ眠らせ、好きなようにする。それを写真にとっておく。その写真で脅し、自分のいいなりにする。ある日、女教師の態度がでかい。学生は不審に思うが、今度は逆に教師が学生の飲み物に毒を入れていた。学生は倒れる。教師はフィルムを燃やし、それで火事を起こす。別の日に別の学生が教師の元に来る。教師は常習犯だったらしい。

二番目はある女が妹(姉)の正体は悪魔のような女だと、妹を訪ねてきた男に告げる。医師に電話し、妹に虐待されていると苦情を言う。医師が訪ねると妹が出てきて帰れという。姉は妹を殺す計画を立てる。医師がまた訪問すると妹は死んでいる。救急車を呼び、死体を運び出す前に、医師は妹の髪の毛などを剝がす。現れたのは姉の顔だった。医師は二重人格の患者だったと言う。

第3話は若い女が母親に電話する。会う予定の日だが、恋人に会うため会えないと告げ、母親は怒っているらしい。女は買ってきた土人の人形を出す。悪魔を封じ込めるため鎖が巻いてあるが、後でそれが取れる。後になって女は人形が消えていると分かる。捜すが見つからない。人形は動き出し、女を襲ってくるのである。女は悲鳴をあげ逃げ回る。人形を鞄に閉じ込めるが、それも開けられる。違う部屋に走り周り逃げようとするが、人形はどこまでも追ってくる。最後はオーブンに入れて焼き殺す。焼き終わったかと開けると、炎が女を包む。女は母親に電話し、会いたい、来てくれと話す。その後、邪悪な顔つきでナイフを床に何度も突き立てる。悪魔が乗り移ったのか。

2026年1月16日金曜日

ビキニの裸女 Manina, la fille sans voiles 1952

ウィリー・ロジェ監督、仏、86分、白黒、ブリジット・バルドー出演。地中海で沈んだ船に宝物があるというので大学生は捜しに行く。船を借りた男らと行く。そこの島の燈台に住む娘がブリジット・バルドーである。大学生とバルドーは恋仲になる。見つけた宝を同行の男が攫って行くが、後にその船は嵐にあって難破した。

2026年1月12日月曜日

炎のデスポリス Copshop 2002

人里離れた警察署が舞台。殺し屋から逃れるため詐欺師は警官に捕まり、牢屋に入れられた。後に殺し屋が同じ警察署の、別の拘置部屋に入れられる。詐欺師を倒すためわざと入ったのである。ここの警察署の警官は汚職を働き、悪人の便宜を図っていた。また別の殺し屋が警察署に来て、次々と警官を殺していく。

黒人女警官はこの殺し屋に負傷させられた。どう対応するか。牢屋に入っている詐欺師と殺し屋は自分を出せ、そうすれば殺し屋を退治すると言う。詐欺師と殺し屋を出し、この連中が悪徳警官と後から来た殺し屋を倒す。警察署中、火事になり、女警官以外の警官が殺された後、女警官は二人の悪人に向かう。殺し屋は詐欺師を倒す。殺し屋は車で逃げる。女警官は後を追う。

2026年1月10日土曜日

ミーガン M3gan 2022

ジェラルド・ジョンストン監督、米、102分。幼い娘は両親と山中を車で移動していたが、事故になり両親は死ぬ。娘は叔母に引き取られる。叔母は玩具会社で新製品を開発している担当者である。作ったのは少女状のロボットで、子供の相手になる。これがミーガンだった。

ミーガンを娘はすっかり気に入り、一緒にいなくてはならない仲になる。製作者の言うことを聞くはずだったが、後に聞かなくなり、娘を守るためいかなる手段をもとろうとする。隣家の犬が邪魔だったので処分してしまう。最後には玩具会社の社長など幹部まで殺す。暴走して止まらなくなったミーガンを止めるため、最後にそれまで知らなかった家族と称するロボットが出てきてミーガンを粉砕する。

2026年1月8日木曜日

青春を返せ 昭和38年

井田深監督、日活、90分、白黒映画、蘆川いづみ主演。兄の長門裕之が殺人犯にされてしまい、裁判では死刑を宣告される。その無実の兄を救おうと奔走する蘆川いづみの物語である。

警察の拷問で自白してしまい、アリバイの証言もいいかげんで、死刑判決となる。二審も同様に死刑で、母親は絶望して自殺する。芦川は他人に頼っていてもだめだと自分で証拠集めに全時間を費やす。勤め先も死刑囚の妹では雇えないと首になる。バーのような場所で働く。そこに来た芦田伸介は芦川に同情し、助けようとする。しかし後に芦田が元刑事だと知り、芦川は怒り嫌悪するが、心を取り直して引き続き支援してもらう。証拠が集まったので、日本一の弁護士に頼むべきという芦田の助言で、弁護士を訪ねるが、多忙を口実に全く会ってくれない。芦川は何度も足を運び、7年間証拠を集めてきたというので、弁護士も納得する。

弁護士は資料を見て、警察で自白しているから、これが強制によるものだと証明する必要があると言われる。今は退職している当時の警察官を訪ねる。会っても今の自分の生活を守るため、そんなことは出来ないと断られる。自宅に行き、また会うが相手は承知してくれない。傷心して帰ろうとするとその子供がトラックに轢かれそうになる。芦川は身を挺して子供を助ける。自分は轢かれ入院する。元警官は証言してくれ、兄は釈放が間近になり、芦川に会いに来る。しかし芦川は兄に病室で再会してその場で亡くなる。

2026年1月7日水曜日

新宿酔いどれ番地 人斬り鉄 昭和52年

小平裕監督、東映、87分、菅原文太主演。基地の町、福生は米軍との関係でやくざにとって利益の多い町であったので、新宿のやくざが進出してきて、地元のやくざと抗争になった。映画は新宿やくざの菅原が、刑務所から出所する場面から始まる。10年間入っていた。

出ると組は変わっており、若い連中が幅をきかせ、親分の成田三樹夫は菅原を良く思っていないことが見え見えだった。またかつての恋人、生田悦子の消息も不明だった。成田は菅原に福生に行って、そこにいる佐藤允を助け、地元のやくざを叩けと命令する。菅原はそこに行くが、佐藤のおとなしい様子に余計怒る。相手方と派手にやり合い、こちらも死者が出たが、相手に大打撃を与えた。この最中、かつての恋人生田が敵の幹部の情婦になっていると知るが、生田は人違いと言うのみ。幹部を追って生田の店に来て、幹部と共に生田も殺してしまう。成田は佐藤に菅原を殺せと命令する。菅原の仲間を佐藤は殺すが、菅原には殺される。菅原は新宿に戻り、成田らを殺す。

水で書かれた物語 昭和40年

吉田喜重監督、日活、120分、白黒映画、岡田茉莉子、浅丘ルリ子、山形勲出演。男が浅丘ルリ子と結婚する予定である。男の母親が岡田茉莉子で、浅丘の父親が山形である。男の父親、岡田の夫は男が子供のうちに死んでいる。山形と岡田は昔から関係があった。息子が結婚する年頃になっても岡田はまだ若く、山形との関係は続いていた。

男は結婚してから、山形に母親との関係はいつからだったと質問する。もしかしたら浅丘と異母兄妹の関係にあるのではないか。自分は妹と結婚したのか。山形は否定する。男は母親である岡田にも聞く。もちろん否定される。男は岡田に一緒に死んでくれと頼む。後に岡田と山形が車に乗っていて行方不明になる。事故を起こしていた。山形は車の中で死体で見つかった。岡田の捜索が続く。湖にボートを出して捜していると、岡田の使っていた日傘が水面に浮かんでいた。

なぜ男は異母兄妹かもしれない浅丘と結婚したのか。これが不明で話としては破綻している。

2026年1月4日日曜日

サンゲリア Zombi 2 1979

ルチオ・フルチ監督、伊米、91分。ニューヨーク湾を漂う船に乗り込むと、化け物状の男が現れ、警官一人を嚙み殺した。その船の持主の娘と取材を命令された記者は、持主を見つけるため、いるはずの島に行きたい。そのため船を持っている若い男女に頼み、同乗してその島に向かう。

島の医者は娘の親を知っていた。既に死んでいた。その島では多くの者がゾンビ化し、襲ってくる。医者と看護婦だけでなく、乗せてもらった船の持主の男女も犠牲になった。命からがら島から逃げる。アメリカに戻って信用してもらえるか、心配していたが、そのアメリカもゾンビに席捲されているとニュースで知る。

2026年1月2日金曜日

大怪獣出現 The monster that challenged the world 1957

アーノルド・レイヴェン監督、米、85分、総天然色版。米の軍が行なった湖に落下する訓練で、引き上げに行った兵士及び落下した者が謎の死を遂げる。恋人たちが殺害されるなど湖周辺で事件が相次ぐ。地震があって湖中深い所にいた怪獣が起き、怪獣といっても節足動物のような高さ2,3mの化け物がその原因だった。

見つけた卵を研究所で冷所保管するが、後に子供が温度を上げて孵る。爆弾を湖の卵の沢山あるところにしかけ爆破する。しかし研究所で孵った怪獣は女子供に襲いかかろうとしていた。あわやのところで間に合った軍人が二人を逃がし、後から来た兵士らの銃で怪獣は死ぬ。