著者の長岡鉄男はかつて非常に人気のあったオーディオ評論家である。この本の中にも書いてあるが、オーディオ評論家という人種はあまりいない。オーディオ全盛期である60年代以降、この本が書かれた90年頃まで同じ評論家たちが活躍していた。長岡鉄男の特色は自作派であり、スピーカーなどは自分で作る。また日本のオーディオを贔屓にしていた。更にこの人のキーワードは、コストパフォーマンスであった。ともかく自作などであまりお金をかけず、お得な製品を推薦するという立場であった。
オーディオは趣味の世界であり、かなりお金をかけて海外製品を求める人もいたし、評論家も高級製品を使っていた。しかし若いオーディオファンにはそんな余裕がなく、長岡のような現実路線がおおいに歓迎された。また自作派を越えて、当時のオーディオ評論家の中で人気があり、贔屓とする人も多かった。
この本は副題に1950~82年とあるように、ステレオLPレコードの登場からCDの登場期までを対象とする。その間に現れた、日本のオーディオ製品、スピーカー、アンプ、プレーヤーなどのカタログ写真を載せ、紹介している。技術的な記述が中心で、その辺の知識がないと十分に読みこなせない。
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