著者は昭和45年生まれの批評家。本書の書名を見てどう内容を推測するだろうか。クラシック音楽愛好家は特定の評論家を贔屓とする者が多いので、有名評論家に対して歯に衣着せぬ批判、こてんぱんにした文が並んでいると思わないか。しかしながら実際に読むとしごく普通の文による批評論、批評家論になっている。大袈裟な書名にして読者を釣ろうという最近珍しくないやり方であるが、内容が大したことないと思わせ、更に著者の価値も下がる危険がある。
内容はクラシック音楽批評の読み方、あらえびす以来の日本の評論家の概観、更に音楽批評実践講座なる章まである。これまでの日本のクラシック批評がどんなものかについてのまとめである。特別面白い話題、例えば有名な某評論家が偽音楽家を持ち上げていた、といった類が書いてあるわけではない。
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