第1章の最後に村上春樹の文章が引用されている。読めばほとんどの人がそのとおり、同意見と思うであろう。著者は「音楽を聴くことの究極の意味について、これにつけ加えることは何もあるまい」(p.33)と言うのである。呆れる。それまで述べてきたことは何だったのか。付加価値ゼロである。
最後の「おわりに」を読む。小説のようにそれを読む自体が楽しみでなく、何か知りたい、目的を持って読む、手段としての読書ならはじめにの後、おわりにを読むといい。俯瞰が得られる、残りを読む際にも分かりやすくなる。
本書の「おわりに」を見ると、箇条書きで要約が書いてある。ここを読めばよい。大体同意できるというか、当然の事柄が書いてある。同意できないところもある。どちらにしろ新味は全くない。本書を読もうとする人はまず最初に「おわりに」にある要約を見ればよい。これで自分にとって読む意味があるかどうか分かる。
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