女の肌 昭和32年
島耕二監督、大映東京、75分、総天然色映画。京マチ子、淡島千景主演。
西南戦争を背景とする。避難民を乗せた馬車が疾走する。京と淡島は元女中で同乗している。官軍の馬が追いつき、呼び止める。八代の検問所での検査。一人スパイがいたというので、乗客全員、牢に入れられる。
戦いで気の立った隊長(根上淳)は乗客のうち女を一人、酌に寄こせと言う。京がその役を買って出るが、気の強さに隊長は彼女を返し、淡島を呼ぶ。
敵方の大砲が官軍の陣地を襲い、乗客みんなは牢から逃げる。
苦労して故郷に帰った京と淡島。幸い家は残っていた。また戦いが始まる。なんとその家に逃げてきたのはあの隊長だった。銃でもって彼を撃とうとする京。それを淡島が止める。情が移ったらしい。京は隊長に復讐しようとしても、淡島が邪魔で撃てない。
隊長と淡島は二人で家を立つ。それを見送る京。
川口松太郎原作とあるが、話の前半はモーパッサンの『脂肪の塊』そのままである。後半、淡島が根上を庇い、二人して旅立つ、そういうこともあろうかと思うものの、少し描き方の説得性が足りないと思った。
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