2024年11月4日月曜日

ヴェデキント『春のめざめ』 Fuehlings Erwachen 1891

ルル二部作で有名なヴェデキントによる戯曲。青少年の性教育、男女の付き合い、大人たちの対応を描く。悲劇である。

友人たちによって交わされる、学校の進学、将来への希望、性に関する話などが出てくる。事件としては一人の男の生徒が自殺し、また女の生徒が妊娠し事故死する、が大きな要素である。大人や社会が悪いといっても何もならない。またあまり細かい事情で何々のせいと言ってもしょうがない。19世紀末のドイツの状況、当時を知る資料にはなる。今の若者の悩みにどう関わり合いを持つと言えるのか、十分理解できなかった。(酒寄進一訳、岩波文庫、2017)

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