元は朝日出版社のLecture booksの一冊として昭和55年に出された。岡本太郎にピカソについて評論家の宗左近が聞き、対談する。
岡本は戦前成人になるかならないかの時期、フランス、パリに行きピカソを含む当時の芸術家や知識人と交わった。岡本が自分の経験を長々と話し、ピカソについても語る、といった感じである。あとがきで岡本は外からピカソを論じても意味がないという。いかに自分の中に感動を呼び起こしたか、が重要である。絵画など美術は視覚芸術であるから、理屈で議論する、したくなるのが普通だろう。岡本はあくまで感動する、それが美術に対する態度であるとみなしている。
相手の宗左近は美術評論もしているので、自分のピカソ論なるものをする。必ずしも議論をするというより、自分のピカソを両者が語っているという感じの対談である。
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