極めて印象的な書名を持つ本がある。これなどもその一つだろう。子供の時に見て今でも覚えている。
著者は音楽プロデューサーである。副題に「私の音楽マネージャー30年」とある。題の意味は今までの経験から「其方、此方を、遍路した帳(ノート)」としたのである。さて今でも気になっていたこの本をようやく読めた。著者は関西の楽壇で経験した。面白い挿話が多くある。何しろ本の出版自体が半世紀前で、その時の昔話であるから本当に関西でクラシック音楽が盛んになろうとしている時期の様子がわかる。ともかく今なら考えられないような話が出てくる。個性豊かな音楽家の実際、上演に関しての苦労、大阪万博の際のカラヤンやリヒテルのことなども書いてある。
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