今野浩教授によるヒラノ教授シリーズであるが、今回は線形計画法の発展に関わる歴史を述べている。著者がスタンフォードに留学し、師事したのが単体法の開発者であるジョージ・ダンツィク教授である。
師の話というか称賛が延々と綴られる。いかに天才であったか、どれほど線形計画法の発展に貢献したか。しかしダンツィク教授は悲劇の人である。なぜならノーベル賞をもらえなかったから。当然受賞してもよいのに、ダンツィク教授のみ外された。著者の悲憤慷慨が書いてある。もっともノーベル賞の受賞のおかしなところは今まで多くある、とは誰でも知っていよう。ダンツィク教授の業績は広く知られており、高く評価されている。もっともそうだからこそノーベル賞という今では最高権威の賞を、外されたのが著者には憤懣やるかたないようである。
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