2019年2月11日月曜日

更科功『宇宙からいかにヒトは生まれたか』 2016、新潮選書

分子古生物学者の著者が宇宙の誕生から、人類の誕生までわかりやすく解説する。
宇宙からいかにヒトは生まれたか: 偶然と必然の138億年史 (新潮選書)

少し前から多いビッグヒストリー物の一種である。この場合、初めは宇宙の誕生に決まっているが、最後はどこまで書くかの選択がある。普通、世界史と呼ばれている文明発生以降の、現在に至る歴史までを書く場合がある。本書は著者の専門から言って(また本の制約から言って)、人類誕生までである。
そして本書の特徴は初めに書いたように分かりやすい、という点である。読んでいて理解しやすく、その先どうなるかを知りたくなる。啓蒙書であるから読みやすいとは最大の利点であり、要求されるものである。

ベストセラーにはなったが、読んでいてちっとも面白くない。ただただ細かい事項を並べているだけという本があった。一般読者を全く考えていない、専門書なのであろう。それが新書で出ているので読者は勘違いしてしまうのである。
本書はそれと対照で一般読者に面白く、知識を与える本である。

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