本書中一番心に残った発言は「民主党は勤労者から集めたカネを、本当は働けるのに働こうとしない連中に配る政党に変わっていった。勘定を労働者階級に払わせる政党になっていった」(p.57)である。これは福祉とか弱者救済の実態を表している。これらを日本で最も強く推進してきたのが、朝日や岩波の進歩派(古い表現か)である。
正直読んでいて白人たちの発言は、朝日や岩波への異議唱え立てに思えてしまった。理屈としてはもっともに聞こえる、しかし自分の関係ないきれいごとばかり言っている連中への反発である。
それを朝日新聞の記者が岩波の本に書いているので面白い。本書での白人たちの不満は将来の日本を予想しているように見える。まだ日本ではそれほどでなく目立たないだけである。
「おわりに」にある、トランプを支持する現代アメリカに日本でニュースを見ている人は「きっと首をかしげてしるに違いない」(p.260)には爆笑した。それは日本のメディアが全くデタラメで真実を報道していないからではないか。つまりメディアは、こうあるべき(トランプはデタラメ男である)というイデオロギーを押し付けているだけだからである。
思うに大手メディアの記者は日本の最高のエリートである。そのニューヨーク特派員となればエリート中のエリートである。きれいごとを述べている著者に反撥感を覚えるなら、それは書中の白人と通じるものがある。
0 件のコメント:
コメントを投稿