山田典吾監督、現代プロダクション制作。
知的障害者教育に一生を捧げた野杉春男を描いた伝記映画。主演は永六輔。彼の唯一の主演作だそうである。
昭和47年のモスクワの空港での日航機事故から始まる。その飛行機に野杉は乗っていて殉職したのである。映画は昭和20年代、小倉市の小学校に戻る。ペスタロッチを尊敬する野杉はそこの普通の児童の先生をしていた。学校に知的障害者用の学級ができると進んでその担任になる。児童に教える工夫を色々行なう。
描かれる彼の教え子のうち、動物好きの少年の尺が長い。彼は学校へ行けない時期もあったが、学級で山羊を飼うことになり、親身に育てる。卒業後は厩舎で馬の世話する仕事につく。熱心な世話で元は駄馬だった馬が競馬で一位になるという結果までもたらす。
また町内で他の店に迷惑をかけた子供のせいで、その子供の店が他店と喧嘩し、村八分状態になっていた。これも野杉の調停で丸く収まる。
実在の人物を映画化したもので、教え子等他の登場人物も元の人間がいる。出来事も脚色はあるだろうが、元の話がある。そのため劇的な感動場面といったところはない。
あくまで伝記映画である。劇映画に慣れているとやや全体的に平板な感じがするかもしれない。
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