マキノ雅弘監督、東映、92分、白黒、大友柳太朗、千原しのぶ出捐。
大和にある藩の武芸大会で、藩の師範の大友は微妙な判定で負けとなる。藩主は憤慨し大友を師範から免ずる。帰宅し婿養子である大友は義父だけでなく、妻からも罵倒される。やけ酒を飲んでいた大友は、試合の相手が友人らと笑いながらやって来るのに遭遇する。ちょっとした言い合いから真剣でやったらどうだとなり、今度は真剣勝負になる。相手を斬り殺す。大友は藩から逃げる。
城では敵討ちといっても、兄しかおらず下の者の仇を上の者がする逆縁は禁じられている。それで兄二人は脱藩という形にして大友を追うことになった。大友は大阪の問屋に世話になっていた。そこの娘である千原が大友に惚れる。大友も妻子に未練はなく千原を好きになる。追手二人が大阪まで来る。大友は自分から名乗り、崇禅寺の馬場で果し合いをする約束となった。千原は大友が追われている身と知っており、果し合いの時刻場所を調べ、多くの子分たちとそこに赴く。大友は二人を相手に苦戦していたが、千原が大ぜいを連れてやって来て、千原の拳銃(短筒)と子分たちが寄ってたかって二人の追手をなぶり殺しにする。
これが知れ渡り、大友を匿う千原の家は非難の的となる。千原の父親は事情を知って驚き、凡てを大友のせいにして自分の娘や家を救おうとする。果し合いから逃げおおせた大友はすっかり精神が参り、敵討ち二人の幻影を見るようになっていた。千原は大友をそれでも愛して救おうとする。
国元の藩では大友の義父が自分が成敗しに行くと言い、殺された兄弟の母親等を連れ大阪に向かう。あの崇禅寺に相手の幻影を見て大友はやって来た。そこに義父一行だけでなく、千原の親が引き連れた大勢の子分たちが来て大友を討とうとする。狂っている大友はあの敵討ちの幻影を見て闘い、子分どもを倒していく。ついには千原も斬り、千原の発した拳銃により二人とも倒れる。
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