2023年11月14日火曜日

亀山郁夫、リュドミラ・サラスキナ『ドストエフスキー 『悪霊』の衝撃』光文社新書 2012

二人の研究者の対話がまず第一部(2011年1月23日)、次に第二部は亀山の質問にサラスキナが答える電子メールのやり取り。更に二人の夫々の論文がある。主要な部分である第一部では亀山郁夫が、ロシヤの同じくドストエフスキー研究者であるサラスキナに『悪霊』について質問を投げかけ、それに対しサラスキナが回答し、亀山が自分の意見をいうインタビュー形式で進む。

よく理解できなかったのは「スタヴローギンの告白」(原題「チホンのもとで」)を本文に挿入する位置で、邦訳では江川卓以外は第8章と第9章の間に入れている。その措置を亀山は池田健太郎と小沼文彦の名を挙げ「これは翻訳者が考え出した一種のフィクションということになります。厳しい見方をすれば、これは言ってみれば越権行為でした。翻訳者の椎でそれをやっているわけですから」(p.114)とある。なぜ池田と小沼が糾弾されているのか。江川以外はみんなしているのではないか。

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