マーク・ロブソン監督、米、80分、白黒映画。
18世紀の精神病院が舞台。何しろそんな昔だからイメージする気違い病院そのままである。院長をボリス・カーロフが演じる。もう一人の主人公が正義感に燃えた若い女。こんな意識が高い女がいたのかと詮索してもしょうがない。映画だから。女は実際の精神病院を見てそのひどさに驚き、改革しようと燃える。宗教家などの精神的支援はあるが、一人で改革を目論んだ女は罠に陥り、精神病院に入れられてしまう。そこでも環境の改善や患者に誠意をもって臨むなど孤立奮闘する。すっかり病院は良くなったが、更に女が勝手に振る舞っては困るので、カーロフは女に注射しようとする。女は拒む。
カーロフを患者たちが捕まえる。驚いたカーロフが脅してもダメである。症状の軽い患者がなぜ今まで横暴に振る舞ってきたか、カーロフに尋ねる。自分がやっと得た地位でありそれの保身だったと小心ぶりが明らかになる。フランケンシュタインを作った博士や『モロー博士の島』のモロー博士と同じく、暴君はかつて奴隷なみに扱っていた連中から制裁を受ける。まだ息があるカーロフはポーの『アモンティリャードの酒樽』よろしく煉瓦を積み重ねた向こうに閉じ込められる。若い女は宗教家と結婚するだろう。
昔作られた映画であるし出来は良いと言えないが、古い時代の精神病院観が今さらながらあってそういう興味はある。原題のベドラムはロンドンに実在した精神病院。精神病院の代名詞になった。昔なので映画にあるように見物料を取って見世物にしていた。映画はそんなひどい時代を背景にしている。
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