2021年9月29日水曜日

検察側の罪人 2018

原田眞人監督、東宝、123分、国民的なアイドル、木村拓哉と二宮和也が主演を勤めている。

木村が上司の検事で、二宮は部下の検事である。まず殺人事件の容疑者がいる。訊問をしても無罪と言い張る。しかしこの容疑者に過去、既に時効になっている事件の真犯人ではないかとの疑惑が出てくる。その過去の事件の被害者は木村の知り合いで親しくしていた少女だった。迷宮入りになったこの事件の犯人が今の別件の容疑者なら、木村は何としても許せない。そこで容疑者を陥れるため画策する。これが検察側の罪人である。

正直いって映画としての出来は良くない。致命的なのは言葉がよく聞き取れないのである。役者の声が小さいにしても聞こえるようにしないと、映画としては欠陥品である。また余計な本筋に関係ない、実はこうだったとの夾雑物が多すぎる。笑ってしまうのは現在の日本の体制に命を懸けて批判するのが、検事の木村や元親友で、体制批判者なら検事など官僚にならない。現在の社会の欠陥を足元から改善していこうというのが官僚や保守であって、抽象的な糾弾をするのは左翼である。
また二宮が容疑者に声を張り上げるところを評価する人が多いようだ。検事役の大沢たかおが女医の草刈民代を怒鳴りつける『終の信託』でも、そのところで大沢を評価していた人がいた。日本人は容疑者を怒鳴りつける検事が大好きなのか。ジャニーズファン向きの映画に思える。

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