かつて農民だった男が大臣になり改革をする、題名はその男である。国王の統治などといった映画ではない。
20世紀初頭、社会主義思想は農村にも及び、農民に向かって演説する男カールがいた。地主の管理人は彼を追い出す。家も明け渡させられる。家族共に村を出る。彼の幼い娘は石を投げられる。
後年、娘は大きくなる。カールの家族はピクニックに来る。川辺にいると青年がやって来て、ここは私有地だと追い出す。青年らの乗った船が故障で困っていると、彼のボートに助けられる。この機会に青年と娘は相思の仲になる。青年はかつてカール一家を追い出した地主の息子である。
カールは政治の才で頭角を現す。新しい社会主義政権の農業大臣に任命される。地主の家は今では破産の危機に瀕しており、管理人が大臣となったカールのところへ請願に来る。救済資金を出すためには、今ある借金の返済が必要と委員会の結論が出た。
娘と青年は農民の家の建て直しの計画を立てている。村の再建のためにカールは借金を自らのカネで返し、救済資金も出ることになった。
村へ帰ってきたカールを裏切り者と非難し、農民を扇動する男がいた。みんなでカールのいる地主の屋敷に押しかける。カールは扇動者を追い返し、農民らと食事の会を設ける。地主である青年の母親は貴族の出身で、誇りが高く、部屋に閉じこもっている。青年が食事会に誘いに来てもなかなか部屋を出なかった。カールの演説が聞こえる。その誠意ある内容に動かされ、来てカールと握手する。
国立FAのパンフレットによれば2年前の社会民主党政権樹立を受けて作成されたとあり、社会主義のイメージがまだ良かった頃の作品とわかる。
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