若い女が自殺する。その原因を探る。
映画は戦後間もない頃、酒場での男女の会話、顔は見えない、で始まる。カメラが移動し、浮かない顔の若い女になる。この女は無気力そうで、結局、自分のアパートで自殺する。
向かいの部屋の作家夫婦はほとんどこの女を知らなかった。刑事が来て夫婦あての遺書があると告げ渡す。遺書には、誰も身内がいない、それで家具等凡て贈与する、葬式代は貯金で賄えるだろうとある。作家夫婦は部屋を見て「娘とヒヤシンス」という絵を知る。作家は興味を持ち、なぜ女が自殺に至ったかを調べる。
色々わかるが、画家と数年夫婦生活をしていた、画家は女が尽くしてくれて幸福な生活を送れるようになった、それで芸術がだめになった、お前のせいだとなじるような男である。女は出ていくしかなかった。娘とヒヤシンスは、画家が女と知り合った当時に描いた絵である。
また以前、人気があった歌手との関係もわかる。歌手は二度、女と知り合う機会があった。その俗物のような歌手によると、自分に振られたから自殺したのだろうと。映画冒頭の場面が再現になる。今度は顔も出る。歌手は女の以前からの友人(女性)と話していた。女はそばのピアノの前に座っていた。
作家は、自殺の原因が歌手への失恋なら、随分つまらないものだと言う。妻が夫に女の友人の名を問い、作家も知らなかったので、歌手に電話する。その名を聞くと、妻は思い当たるものがあった。
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