女の顔、En
kvinnas ansikte、グスタヴ・モランデル監督、1938年、101分。
イングリッド・バーグマン、バーンスにて、Med Ingrid Bergman på Berns、1953年、6分。ロッセリーニ家とのひととき、Kort möte med familjen Rossellini、1953年、6分。
首飾り、Smycket、グスタヴ・モランデル監督、1967年、27分。
以上のうち、「女の顔」と「首飾り」は劇映画、短篇2作は記録映画である。
まず短篇の記録映画について述べる。
「イングリッド・バーグマン、バーンスにて」は、スウェーデンの同地で開催された映画祭に招かれたバーグマン夫妻が映し出される。夜中過ぎに到着。故郷に錦を飾ったバーグマンである。
「ロッセリーニ家とのひととき」はイタリアでの撮影。ロッセリーニ家の家庭映画である。幼い子供たち、特に赤ん坊の二人の娘は可愛い。
「女の顔」はスウェーデン時代のバーグマンの映画で有名な作品。
バーグマンは悪女、しかも顔を怪我して醜い顔で登場するので驚く。映画は二人の男女の会話から始まる。不倫をしている女に脅迫状が届く。男が女からもらった手紙を落とし、それをネタにゆすられている。悪漢どもの家。手紙と引き換えの要求金額は5千クローナだと男たちが言う。バーグマンはなぜ1万クローナ要求しなかったかと怒る。自分が女に交渉してくると言う。この時、バーグマンの左半分の顔が火傷で醜くなっているのだが、白黒映画だから遠景ではよく分からない。
また金持ちの甥の悪者がいる。幼い孫がいなければ、自分に巨額の財産が入る、それで子供を亡き者にしようという計画もしていた。
ゆすりに女の家に行く。女と話す。巨額のカネは手元にない、宝石で代わりにしようとするが、バーグマンがさらに吹っ掛けるので、女は工面に家を出る。バーグマンが一人で待っていると、女の夫である医師が帰ってくる。バーグマンはドジをし、医師に見つかる。女も戻ってくる。言いつくろいをする。バーグマンから顔の怪我を聞いた医師は、機会を与える、手術をするという。バーグマンは手紙をこっそり女に渡す。手術する。顔は完全に治り、新しい人生が始まった。
あの金持ちの家に計画とおり、家庭教師としてバーグマンは赴く。しかし可愛い子供からなつかれ、また新生したバーグマンは殺害などさらさら思いもしなくなる。しかし悪漢の甥はバーグマンの秘密を握っているので、悩む。金持ちの部下である男からバーグマンは好かれる。
ある日、橇でみんなが手分けして帰る。孫が悪漢の甥と同乗になる。バーグマンは危ないというが既に出発している。金持ちのドジがきっかけで、悪漢と孫の乗った馬が暴走する。バーグマンは悪漢に幼い子供が殺されると、自分を好きな同乗の男に言い、全力で追いかける。その際に自分は、そもそも子供も殺しに来たと告白する。橇の追っかけは結局のところ転倒し悪漢の甥は死亡、男は怪我をする。
後日、金持ち宅に、男から旅に出たいとの連絡があった。その頃、男はバーグマンが手術をしてもらった医師のところで治療を受けていた。バーグマンは男に凡て話す。男は信じられないという。バーグマンに求婚していたのだから。男は治療後、遠くへ旅立つつもりである。医師はあの妻とは既に離婚していた。バーグマンに聞く。中国の知りあいからスウェーデン人の協力者を欲しがっていると連絡が来ている、行くかと。喜んでと答える。
映画の最後のところを見て、もし時代設定が映画製作時なら、中国では支那事変が前年に始まっており、戦時である。日本との戦争に巻き込まれるのではないかと余計な思いをしてしまった。
「女の顔」という題なので、女にとっての顔の意味など哲学的に考える難しい映画かと思ったらそうではなかった。設定はいかにも作り物的なところがあるが、映画なのでそんなものだろう。
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