戦時中に実際に起きた変死事件を元にした、弁護士の物語。
原作は正木ひろし、刑事裁判で有名な弁護士であり著書も多い。本映画は同氏著『首なし事件の記録』を原作とする。主演である弁護士も正木がモデルである。
戦中、反骨弁護士は時の権力の横暴に腹を立てている。知り合いから電話があり事件の相談依頼である。茨城県の炭鉱の鉱夫頭が、警察留置中に変死した。警察は脳溢血と言っているが殺された疑いがある。最初は解剖すればすぐわかると言って簡単に思っていた。検察は異様なまでしつこく事件との関わり合いを弁護士に確かめる。それで弁護士もかえって事件に興味を持ち、現場まで鉱主と共に行く。行ったら既に解剖は済んでいた。警察や解剖した医者に聞くが釈然としない。東京に帰り、弁護士会を通じて再解剖の要請をしようとなる。そのための必要書類を執筆していたが、問題点に気づく。このような手続きをしているうちに死体が腐ってしまうではないか。知り合いの東大教授に相談すると首だけ持ってこればよいではないかと言われる。死体損壊は犯罪である。その危険を犯して現場の田舎に赴き、秘密裡に借埋葬の墓を発掘、死体の首を切って持ち帰るのである。この間、非常な緊迫感で映画は進む。
犯罪映画で実際の犯罪を基にしたものは、作り話にない迫力感がある。
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