中川信夫監督による新東宝、総天然色映画。嵐寛寿郎の出演三百本記念映画で、戦前の坂東妻三郎映画の再映画化だそうである。
悪徳老中田沼意次による悪政に苦しむ庶民たちを助ける義賊、影法師。彼は松平定信の命で動いていた。
田沼は隠された財宝を手に入れたい。そのため、刀の特殊な鍔を一揃い入手する必要がある。この鍔を巡る争いがある。また偽の影法師に親を殺された娘たちが復讐しようとする。
悪役善役の争う典型的なチャンバラ映画で、あまり現代では映画として評価されるものではないだろう。話が込み入っており、殺陣の場面は途中まで、次の場面ではその後の話になる。まるで連続テレビドラマみたいである。
最後の場面(御用提灯に囲まれ見下ろす)も尻切れなのだが、これはこれで見世物なのだろう。
フィルムセンターの追悼特集で観た。誰の追悼かというと田沼側の腰元役、魚住純子である。新東宝で活躍した目鼻の整った女優である。
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