2017年6月7日水曜日

善意の行方 Publieke Werken 2015



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オランダ映画。ロヨラム・ルールセン監督。
19世紀後半のアムステルダム。新しい中央駅が完成しようとしている。その前にホテルを建設したい。そのため一帯を地上げしようとする。その中のヴァイオリン職人は息子を大学に入れようと計画している。この機会に多くの補償金を取ろうとする。
いとこが田舎で薬剤師をやっている。資格を持たず、医者まがいの治療までしている。妻は逮捕されるかもしれないと嫌がる。しかしある日貧しい住民から呼ばれ、妻の反対を押し切って妊娠している娘の緊急治療をする。あたりは泥炭の採掘をするユダヤ人の者が多く住んでおり、この一家もそうである。

やはりこの二人のもう一人のいとこは、アメリカで移民の斡旋業をやっており、久しぶりに帰ってきて羽振りのいいところを見せる。
職人はなんとかして立ち退き料を引き上げようと、交渉者に妥協しない。田舎に行き、いとこと会った際、貧しい住民たちをアメリカに移住させようと、その費用の建て替えを立ち退き料で賄おうとする。いとこの薬剤師も賛成し、住民たちはアメリカへ行く準備を始める。アメリカの斡旋業のいとこに連絡して頼む。

しかしヴァイオリン職人が、立ち退きを頑固に拒否しているうちにホテル建設業者は、交渉を打ち切ってその家を除いて建設を始める。職人が費用の必要上、業者へ行ってももう買い上げる必要がないとにべもなく断られる。しかも期待をかけていた息子は父を拒否して家を出る。
住民たちの費用も賄えず、とりあえず彼らは船に乗るが、向こうに着いても上陸を拒否されるだろうと言われる。更にアメリカの斡旋業者のいとこは破産して逃げ出したらしい。
ホテルが完成し、立ち退きを拒否した家のため景観が醜悪になったと、社会的にも職人は叩かれる。

また薬剤師は事故に会って、さらに資格なしの医療行為で訴えられる。妻まで別れると言い出す。最後に職人には更に災難が訪れる。

もっとも映画としては救いのない終わり方にはしていない。

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