イタリア、フランス映画、ルイジ・コメンチーニ監督、白黒映画である。
汽車に乗った女主人公クラウディア・カルディナーレが回想する場面から始まる。物語は1944年夏。イタリアにとって戦争が終わり、兵士たちが帰還する。
クラウディアの亡くなった兄の、戦友ジョージ・チャキリス演じるブーベが家に寄る。彼らはパルティザンをしていた。
二人は惹かれ合う。チャキリスはたまにしか家へ来ない。また恋の告白もしてくれないのでクラウディアは不満である。チャキリスは党の仕事で忙しいので、あまり彼女と会っていられないのである。勝手に彼女の父親に婚約を申し込んだのも面白くない。女心を理解しない彼をもどかしく思う。
ある日彼がやって来て、殺人を犯したという。仲間を殺されたのでついその場で、復讐してしまったと。そのため彼は何年も外国で隠れなくてはならない羽目になる。
その間、彼女は親切な青年に会い、彼から真剣に申し込まれる。寂しい彼女もその気になっていく。しかしチャキリスが戻ってきて、殺人で裁判にかけられる。彼を励ましに行く。彼はすっかりしょげていて、彼女だけが頼みだという。そんな彼を見ていて、親切な青年との仲は終わらせる。
判決を読み上げようとする、そこで冒頭の汽車の場面に戻る。彼女は彼を刑務所に尋ねていく途中なのである。例の親切な青年と駅で遭遇する。青年は結婚していた。
彼女は刑期が終わる日を楽しみにしている。
クラウディア・カルディナーレを観る映画である。ジョージ・チャキリスもイタリア語をしゃべっている。この俳優は『ウェスト・サイド物語』の印象が強すぎる。
映画の筋を十分理解するためには、当時のイタリア政治、社会を知っておく必要があるであろう。もちろん良く分からなくても映画としては楽しめる。
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