ブルガリア=スウェーデン=オランダ映画、イグリカ・トリフォノヴァ監督。
ユーゴスラヴィアの内戦を裁くオランダ、ハーグの裁判所。虐殺の首謀者とみられる男を裁いている。本人は否認する。女検事は彼の有罪を確信している。証人として若者が連れてこられる。彼は容疑者の行為を認める。容疑者は若者を知らないと言い張る。
オランダ人の弁護士は、若者の故郷であるボスニアの田舎を訪ねる。そこに両親がいた。彼らは自分の息子の行方さえ知らない。拘置所に入っている者は写真をとることができない。そのため弁護士は父親をオランダまで連れてくる。
裁判所、父と息子は対面する。若者は新証人を知らないと言う。しかし父親は証言を求められると黙って息子を抱きしめる。息子である若者は前言を翻す。容疑者を知っていると証言するよう故国で言われた、と話し始める。
こうなると検事は、これまでの追及を公に向かって弁解する必要が出てくる。弁護士も自分の弁護人より、若者が帰郷した際どんな危険が待ち受けているか、そちらが心配になってくる。なんとかして若者の安全を確保しようとするのだが。
ボスニアヘルツェゴビナの紛争は一時あれほど世界的なニュースとなった。今では第二次世界大戦なみに過去の出来事となっているのではないか、いや局地の戦いであっただけに一層。
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