2024年4月9日火曜日

ハガード『愛の守護精霊』 Benita 1906

ハガード得意の秘境冒険小説で、題名になっているベニータという女が主人公の物語である。

ベニータは南米の父親の元に船で行こうとしている。船上で知り合った男から求婚される。その時に船はぶつかり沈没する。男はベニータを救助艇に乗せ、自分は母子を助けるため席を空け海に入る。男は死んだと思われた。ベニータは南米に着き父親と再会する。父親は以前から宛てのある、莫大な財宝を捜しており、それにドイツ系ユダヤ人と組んでいる。ベニータはその男を好きになれなかった。

父親らが財宝捜しに出るので一緒について行く。ようやく何百年も前、ポルトガル人が隠したという財宝のありそうな場所に着く。現地の者らはベニータを女神と信じる。ベニータと父親、ユダヤ人の財宝発見の苦労が延々と描かれる。最後に悪徳ユダヤ人が死に、ベニータは船で生き別れた男に会い、財宝を発見する。(菊池光訳、創元推理文庫、1976年)

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