ある若い女(アグネス)が結婚する予定だった貴族は婚約を破り、伯爵夫人(未亡人)と結婚する。婚約を破棄されたアグネスを、貴族の弟はもとより意があったので、慰め助けようとする。貴族と結婚する伯爵夫人は不思議な雰囲気でやや神がかったような女である。意味不明の予言を口にする。
貴族は結婚しヴェネツィアへ新婚旅行に行く。その前にアグネスが以前使っていた女は、自分の夫を旅行の従者として雇うよう推薦してくれとアグネスに頼む。アグネスは嫌だったが依頼する。それで従者は新婚旅行についていく。ところが従者である夫からの連絡が途絶え、妻は夫は殺されたとわめくようになる。更に貴族がヴェネツィアで死亡したとの報せが届く。
後に縁者がヴェネツィアにホテルを買収、整備する。そのホテルに泊まった縁者の中には恐ろしい夢を見る者が現れた。そこはあの貴族が死亡した部屋だった。伯爵夫人は戯曲を書き、死ぬ。その筋を読むと従者失踪や貴族死亡にまつわる謎が分かった。(板倉厳一郎訳、臨川書店、2000年)
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