原作はThe Killings of Carter Caveといい1934年に公表と、本文庫解説p.541にある。横溝正史の翻訳は、本文庫解説によれば「探偵小説」誌1932年5月号に掲載、1935年に単行本として出たそうだ。(本文庫p.540)ところがこれでは上に載せた原作の刊行年より翻訳が先に出たことになる。どこかの数字が違っているのだろうが、出たばかりの小説の訳だったようだ。 アメリカ南部にある鍾乳洞。そこで次々と謎の殺人事件が起こる。犯人捜しの推理小説である。探偵役は地質学専門の学者。その助手である若い女が語り手である。警部がやってきてこいつが犯人だと自信をもって断言するが、外れてばかり。横溝正史原作の映画物に出てくる警部みたいな人物である。推理小説としての出来はどうかは別として、いかにも推理小説好きに好まれる作りになっている。
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