女主人公が若き日、舞踏会で踊った男たちの現在を訪ねていく。
コモ湖畔、主人公のマリー・ベルは夫を亡くしこれから何をやるか迷っている。
たまたま見つけた手帖、そこに書かれた男たちは若い時、舞踏会で踊り、自分に愛をささやいた者である。みんな今はどうしているか。訪ねていく。
最初の男の家では、母親が対応に出る。もうすぐ帰ってくるとか言うが、調子がおかしい。息子は失恋で自殺しており、母親は頭が狂っていたのだ。
次に会いに行った男(ルイ・ジューヴェ)はキャバレー経営の俗物に成り下がっており、悪事にも手を染めていた。主人公を認め、若き日の詩を思い出す。しかし警察が捕まえに来た。
神父が少年たちに合唱の練習をつけている。女主人公が来たと告げられる。かつては作曲家だった。しかし恋していた女のために作った音楽の披露の会で、彼女が聞いておらず隣の男と話笑っていたのを見て、作曲家の道は諦めたと言われる。
今、アルプスのガイドをしている男と再会し、その男と一緒にいると遭難の知らせが入り、主人公を置いて出る。田舎の町長になっていた男を訪ねると、女中との結婚当日で披露宴に招かれる。披露宴の間、町長の義理の息子がやって来て、町長と醜い争いになる。這う這うの体で主人公は逃げだす。
堕落専門の医師になり下がっていた男は病気持ちで、彼女が来たので引き留め、食事していけと言う。しかしその間、病気の発作が起こり、妻から出て行けと怒鳴りつけられる。
故郷の町で美容師をしている男に会う。舞踏会は昔のまま今でも開催されていると聞かされる。行ってみる。散文的俗物的な舞踏会を見て、自分の記憶との落差に驚く。そこで会った娘は初めての舞踏会に胸をときめかしている。歳を聞くと16だと答える。自分が初めての舞踏会に出た歳と同じである。
屋敷に戻ってくる。もう一人近くに住んでいた男がわかった。自分が好意を持っていた男である。これまでの幻滅の経験から会うのを止めようと思ったが、執事に勧められ出かける。
会ったのは昔のままの彼である。実は息子で、本人は亡くなったばかりだと聞かされる。屋敷も人手に渡ると言う。主人公はその青年の世話をすることに決める。
本映画は何十年ぶりかの再見である。日本で絶大な人気があったデュヴィヴィエは、本国では日本のような未開国でしか人気のない監督と言われていたらしい。
非常に分かりやすい映画で大まかな流れはよく覚えていた。個々の場面が自分の記憶と異なるものがあるのはいつもの事である。特に大傑作とは思えないが、単純な流れは昔の映画らしく良い。
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