共に千葉真一が主役であり、同じ俳優が出ている。シスター・ピクチャー、添え物映画と言われた映画だそうで、おまけとして同時上映で公開されたのだろう。
「赤い谷の惨劇」はセスナが冬山の間をふらついて飛行する場面から始まり、雪の斜面に激突する。飛行士の妹が現場に行こうとする。馬車をひく娘に助けられ牧場に着く。牧場で観光開発をする業者が跋扈していると聞かされる。雪の山を登り墜落現場に着いた娘。そこへならず者たちが来て娘に乱暴しようとする。千葉真一が現れ男どもを退治する。娘はセスナの中で拾ったマニキュアの小瓶を千葉に渡す。
牧場へ開発業者が来て、牧場の明け渡しを求める。セスナで事故死した社長の文を渡す。
千葉は事故の調査に来ていた探偵だった。
業者に雇われた拳銃使いと千葉の対決があったり、事故も業者側が仕組んだ企みと分かり、銃撃戦があって解決する。
「岬を渡る黒い風」は海が舞台である。
漁船が何度も難波する、その調査依頼に応じた私立探偵の千葉はその漁港に赴く。頼んできた娘の父親も事故で亡くなっていた。その港では漁獲を上げるための研究所がある。そこが怪しい。その研究所の船関係の仕事を引き受けている海運業者が、依頼された漁業会社のライバルである。
千葉は海運業者と研究所のつながり、悪事をあばき、最後は銃撃戦で敵方をやっつける。
このシリーズは、まるで当時のテレビドラマを観ているかのような感じにさせる。むやみやたらに銃の応酬がある。まだ戦争からあまり経っていないから?「赤い谷の惨劇」ではカウボーイのような恰好の人物が出てくる。当時は西部劇が人気で、テレビドラマでも、漫画にもなっていた。
当時は景気が良かったせいか、こんな映画にも結構カネを使ったそうだが、映画として虚心坦懐にみれば大したことない出来である。深作、千葉真一の主演デビュー作ということで歴史的な価値はある。
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