姉妹二人のうち姉はドン・ディエゴと相思の仲で、妹は敬虔的な娘である。恋人ドン・ディエゴが姉のところへ忍び込もうとする。そこへドン・ディエゴの友人で、聖人の道を目指しているドン・ヒルがやってくる。ドン・ヒルはドン・ディエゴに説経し、道ならぬ恋を阻止する。しかしドン・ディエゴが去った後、ドン・ヒルは姉の魅力に憑かれ、自分が忍び込む。ドン・ヒルを恋人と勘違いし、間違いを犯した姉は、ドン・ヒルと共に去る。二人は山賊になる。その後ポルトガル王子がやって来て妹に恋するなどの挿話がある。
山賊になった姉はドン・ディエゴのせいだと思い、彼を恨む。後に彼を許す。ドン・ヒルのところへ悪魔がやってきて悪事をけしかける。姉は亡くなる。ドン・ヒルは悪魔の奴隷となった自分を反省し、罪滅ぼしの旅に出る。
簡単に心が変わり、女を盗んだうえに山賊になるなどは現実感が欠ける。恋人と山賊になるなどカルメンとドン・ホセを思い出す。
宗教的な劇であり、現実性などはそれほど重要でなかったかもしれない。佐竹謙一訳「スペイン黄金世紀演劇集」名古屋大学出版会、2003年所収
0 件のコメント:
コメントを投稿