2018年11月27日火曜日

肉体の門 昭和39年

鈴木清順監督、日活、90分、総天然色映画。
戦後の焼け跡で逞しく生きる女たちの物語。

野川由美子(映画では18歳)は、生きていくため娼婦の集団に入る。焼け跡のビル、銀座という設定なので堀が多い。その廃墟の建物をねぐらにしている。仲間の掟は縄張り荒らしをしない、只で男と寝ない、である。その掟を破った女は縛り上げられ鞭で打たれる。

宍戸錠は元兵士、進駐軍といざこざを起こし負傷して女たちの巣窟に隠れ、住むようになる。宍戸の強引さ、逞しさに女たちは惹かれていく。
いつも着物を着た落ち着いた女は、結婚を約束してくれた男と寝て、仲間から鞭うたれる。その女に宍戸は惹かれ、寝る。
身体が回復した宍戸は牛を盗んでくる。その牛を殴殺し、割いて肉を料理する。この牛を引き裂く場面は生々しく迫力がある。

野川は宍戸を好いていたので迫り二人は一緒に暮らそうとする。宍戸が隠していたカネで逃げようとしていた。しかし野川は鞭うたれ、宍戸も密告を受けた進駐軍に射殺される。ようやく仲間から逃げた野川は堀に浮かんだ宍戸の死体を発見する。

極限状況の、女の逞しさ、本性を描いた作品。

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