2018年11月10日土曜日

絢爛たる復讐 昭和21年

小石榮一、吉村廉監督、大映東京、78分、白黒映画。

トルストイの『復活』を上映する劇団。月形龍之介扮する演出家は主演のカチューシャ役の女優に不満を隠せない。
田舎からやって来た娘は劇場窓口で、ネフリュードフ役の俳優を呼び出してもらう。役者を希望していたのである。しかし男に知らないと言われる。実は男は戦時中疎開していた際に、娘と知り合い深い仲になっていたのである。その後会うが、娘に早く田舎へ帰れというばかりである。

それを見ていた証明係の娘がその娘に同情し、演出家(月形龍之介)に事情を話すよう勧める。娘の演技を見た月形はいたく気に入り、簡単な役をやらせる。しかしうまくいかず娘は気落ちしてしまう。
その後、カチューシャ役の女優のわがままのせいで劇の続行が不可能となる。その際、代役として娘を月形は抜擢する。娘が一人で台詞の稽古をしていたのを知っていたからである。
これが当たり、娘は引き続きカチューシャ役をする。カチューシャがネフリュードフに騙されたと非難する場面は、そのまま娘の男への復讐となっていた。

主人公の娘役は槇芙紗子、戦前の『暖流』(佐分利信、水戸光子ほか)で看護婦役をしていた女優である。

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