主人公、語り手のミシェルが友人たちに話す回想録という形式である。
語り手は妻と療養を兼ね、アフリカやイタリアに行って、例えばそこの少年たちと仲良しになる。また自分の領地をうまく管理していない連中に怒ったりする。最後は体調不良の妻はアフリカで死亡する。自分の気ままに調子の悪い妻をアフリカや自分の領地に連れ回し省みることがない、それが背徳者という題の所以か。
本作品は随分以前に読んで、かすかな記憶しかなかった。久しぶりの再読でなぜ本作がジードの代表作の一になっているかわからなかった。若い時の読書ではそうは思わなかったはずであるが。
渡辺一民訳、中公世界の文学第33巻、昭和38年
0 件のコメント:
コメントを投稿