戦時中の見合いを描いた映画。
病院の屋上のベンチにかけている、二人の老人の会話を遠景から撮影して映画は始まる。
二人は原田和世と永瀬正敏である。とりとめのない会話が延々と続く。観ていていつまでやるのかと思うくらい長い。ようやく戦中の回想になる。
終戦の年の春、鹿児島。兄夫婦と一緒に住む原田(紙屋悦子)へ縁談話が持ち上がる。相手はよく知っている軍人かと思ったらその友人である。兄夫婦は熊本へ徴用され、一人で原田は知り合いの連れてきた軍人(永瀬)と見合いする。もともと知り合いの軍人を好いていたのだ。元々気が合った軍人は、その後間もなくして沖縄に出征する。挨拶に来る。もちろん生きて帰れる可能性は低い。軍人が去った後、原田は泣く。
永瀬が転属になると挨拶に来る。一緒になることを再確認する。初めの病院屋上に場面は戻り、映画は終わる。
ともかく会話だけで成立している映画である。兄夫婦の会話、共によく喋り、昔の夫婦でこんなに会話するかと思うくらいである。現代的に聞こえる。
戦争中の見合いは相手が軍人であれば、有無を言わさず成立したと聞く。もちろん例外もあったであろう。昔を舞台にした映画をつくると、その時代のイメージで判断するので、つい余計な感想をもってしまう。
ところで国立FAの11月11日(日)の上映は、映画途中でフィルムが外れたということで中断した。明かりがつき、5分もすれば再開されるだろうと思っていると、再開まで20分くらい待たされた。おとなしい観客もさすがにしびれを切らし、声が上がった。18時過ぎに終わる予定が19時10分前くらいになった。
国立FAになってから中断は2度目だが、こんな長時間待たされたのは、フィルムセンター時代を含めて初めてである。フィルムセンターの時も中断があったが、大して待たされた記憶はない。国立FAになってから上映体制が弱化しているのではないか。
0 件のコメント:
コメントを投稿