アンドレ・ジードの小説。『女の学校』は女の手記という形をとる。第一部と第二部に分かれる。第一部では、結婚を控えた若い語り手の不安と希望が綴られる。婚約者のロベールが非常に理想的に見え、自分はそれに相応しいか悩む。第二部は二十年後という設定、結婚して娘ジュヌヴィエーヴが生まれている。夫ロベールがいかに気に障る男か、不快かを述べていく。
結婚の前後で相手に対する評価、理解、好き嫌いがここまで変わるかが描かれている。『ロベール』は夫のロベールの側から見た手記。短いのは、専ら結婚後の妻への感想だからというだけでなく、ジード自身が男だからではなかったか。
なお第三作として二人の娘、『ジュヌヴィエーヴ』という小説もある。
佐藤朔訳、中公世界の文学第33巻、昭和38年
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