鈴木重吉監督、高津慶子主演による無声映画、帝国キネマ演芸。
長らくフィルムは紛失となっていたが、1990年代にロシヤで見つかり復元された。
しかし冒頭と終結部分は欠落しており字幕で補足。途中も字幕による説明が何回か出る。その辺りも欠落による補足かもしれない。
少女は親から伯父の家に行けと言われ、線路伝いを歩いていく。馬丁に会い彼の家に行く。(この辺りまでは字幕説明)
馬丁の家で食事を振る舞われ、沢山食べる。親から伯父の家に行けば学校へやらせてもらえると言われてきた、と話す。娘が寝ている間、風呂敷包みを解いて中を見た。
明くる朝、馬丁に連れられ伯父の町の近くまで来て別れる。着いた伯父の家は薄汚く子供たちは騒いでいる。伯父に父からの手紙を渡す。娘の父は自殺するので彼女を兄に預けたと知る。封筒の中に紙幣が入っており夫婦で取り合いの喧嘩をする。
娘は学校などやってもらえず、子守などさせられる。若い男がやって来る。実は彼女を買いに来たのだ。伯父夫婦も甘言で彼女についていくよう言う。支度で風呂敷包みの中の財布を見ると、銀貨が入っている。あの馬丁が入れてくれたらしい。
男は曲芸団の団長で、孤児を集めこき使っていた。娘も短剣投げの標的の役目をさせられる。
ある日先輩の女が自分のカネが無くなったと騒ぎ、団中をひっかきまわす。娘の持ち物の財布を見て銀貨があるので、盗んだのは娘だとわめく。娘の抗弁も虚しく団長は躾が足りなかったと言う。団長の非情な仕打ちに団員たちは耐えかね、ある夜暴動を起こす。娘は仲良しの少年と逃げ出す。
少年とその姉の住むまちの近くまでやって来る。街道で、道を聞いてくると言って娘を置いて出かけたが、少年は車に轢かれる事故に会う。娘は浮浪者や老人の養護施設に入る。
県会議員の家へ女中に行く。多くの女中たちは我儘なその家の令嬢に手を焼いている。夫人から娘はさんざん嫌味なことを言われ、キレて皿を投げ、また養護施設へ逆戻り。
その後詐欺師の手先になったり、琵琶師匠の女中になる。ある日あの別れてしまった少年、今では青年だが、に再会する。娘に手を出そうとする師匠の家を飛び出し青年の所へ行く。好きな青年との生活は楽しいものであったが、生活の糧が得られなくなり二人は海辺で心中を図る。娘だけ助かり、キリスト教の教団へ引き取られる。
そこで回心し神に仕えて生きるつもりでいた。先輩の女から、心中相手の男が実は生きており、連絡すべきでないかと言われる。もうその気はなくなっていたが、勧められて手紙を書く。その先輩が教団を出るとき、娘の書いた手紙を落とす。施設の長の女が拾う。彼女は娘を激しく責める。
(以下、結末部分は字幕で説明)
施設の長から厳しく叱責された娘は、多くの信者の前で懺悔するよう強要される。娘は拒否するが、当日、長は自ら娘の罪を話し始める。娘は抗議して、許そうとせず非難するばかりの教団の非情さを糾弾し、このような神は神でないと言い放つ。教会は放火され、警官に娘は捕まる。何が彼女をそうさせたか、で終わり。
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