武重邦夫監督。現在は軽井沢に移築されている江戸時代末期、山梨に建てられた民家に関する記録映画。
映画は、現在の所有者である中央工学校が建物の経歴調査を始め、その記録である。
大きな民家であり、外見も屋根の中央部分に上層の突き出しを持つ特徴ある建物である。この建築様式は山梨東部に見られる。建物の一部に旧村名が見つけ出され、現在の塩山市とわかった。現地で元々の所有者の家庭に経緯等を尋ねる。
当地は養蚕の盛んな地方であり、豪農だった。家の不幸や養蚕自体が時代の流れと共に減少していく中、関西の実業家から買い取りの申し出があり売却する。昭和9年のことである。明くる年に軽井沢に移築、建物の名はその時の西暦から取った。
戦後進駐軍に接収され、その後会社が寮として買い取り、有名人や皇太子夫妻も訪れた。
更に中央工学校所有になり現在に至っている。
塩山地方の豪農の家であって、一般的ではないだろうが、和風民家建築の例として貴重な遺産である。
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