抽象的な一般論でなく、当時のアメリカで実施されていた制度・制作を対象に述べていくので解かりやすく、理論の実際への応用の勉強にもなる。政策論として読んでいて面白い。
立場は徹底的な自由主義であり、政府の介入が目的とはかけ離れているとか、全く逆の効果を生んでいると次々と例を挙げて進めていく。
本書が出されたのが1962年というから驚く。ケネディ政権当時であり、経済運営にケインズ政策が、福祉についても公共の役割強化が当然視されていた時代である。出版当時に全く評判にならなかったそうだが、あまりに時代に進み過ぎていたのであろう。
それから50年以上たって、社会主義体制が淘汰された時代になって古典として見直されたのはこれも当然と言える。なにしろ現代読んでもやや過激すぎると思われる個所、提言があるくらいだから。
村井章子訳日経BP社2008年
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