通常の政治思想史では中世がキリスト教共同体の時代であったとし、そこでアウグスティヌスとかトマス・アクィナスなどの名前が挙がる。
この書では政治思想を考える上でのキリスト教の特色として共同性や終末観を取り上げ、それが聖書のなかでどう扱われ、どう理解すべきかをまず論ずる。その後実際の思想史でどう思想家たちが考えていったかを説明する。
宗教改革のルターやカルヴァンの説明までは思想史といった体だが、最終章ではアメリカという極めて宗教的な国家を論じており、これも役立つ。
ともかく邦語では類書のない貴重な解説書である。
慶應義塾大学出版会
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