短編集『黒い画集』所収。岡山の津山で神主をやっていた男が儲けを企んで、上京する。しかし考えていた計画はうまくいかなかったらしい。姉の家に泊っていたのだが、行方不明になる。何日経っても消息が分からない。岡山の妻も呼び出す。分からないまま日にちが過ぎ、妻が帰る日に男が見つかった。多摩川の河川敷で、死体となっていた。当時の多摩川の近くは寂しい場所だったようだ。
小説は死体を子供たちが発見するところから始まる。警察の見立ては、他のところで殺し、そののちここへ運んで来たのではないか、というものだった。タクシーその他車関係を調べるが不明である。死体もどこのだれか分からなかったが、新聞で見た姉が弟ではないかと警察に来て確認する。最後に判明する事実は、家族による殺人で、よそで殺して死体を運んで来たのではなく、被害者と妻と義理の兄が鉄道の駅で降り、この寂しい多摩川沿いの場所に来て殺したのだった。動機は高額の生命保険が被害者にかけてあり、受取人が妻となっていたという事実であった。
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