短編集『黒い画集』所収。下町で小間物屋を営む中年男は、吝嗇で勤勉でお金を貯めていた。しかしたまたま知り合ったキャバレー勤めの若い女に入れあげ、大金を費消してしまう。女は上辺は従順だが陰には若い男がいて、中年男から金を巻き上げる。男は自分が騙されていたと分かっても女を諦めない。赤坂の坂上にある瀟洒な家まで購入して女に与える。最後には男も金が尽きた。店を飛び出し、女とそこで同居する。
しかし女は口先と違い、いつまでも若い男と陰で付き合っている。とうとう男は殺意を抱き、女を亡き者にしようと考えるが、男の方が先に死んでしまう。それは事故死らしい。そう見えたが、これには氷を使った殺人方法の目くらましがあって、自然死と見せかけたのだった。最後に女と若い男は捕まる。
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