2022年7月15日金曜日

悪魔の手 La main du diable 1943

モーリス・ターナー監督、仏、78分。

修道院を改築したホテルに夜、おかしな男がやって来る。包みを離さない。この辺りに墓地はないかと聞く。拳銃の音がして警官が乗りこんで来る。停電の時に、男が持っていた包みがなくなった。ホテルの客たちは男から過去の事情を聞く。

男は画家であまり売れなかった。恋人が見切りをつけて行ってしまったレストランで、店主から不思議な話を聞く。あるお守りがある。これを1スーで買わないか、そうすれば何でも望みが叶う。ただ死ぬまで他人に売りつけないと永遠の苦しみを味わうようになると。男はあまり考えずに承諾する。すると店主の左手が切断され、無くなった。そのお守りの包みを開けると切断された左手が入っていた。男はたちまち売れっ子になって巨額の富を得る。恋人も戻ってきた。しかしお守りを売りつけないといけない。悪魔が現れる。自分に金を出して、お守りを引き取らせよと言う。ただし才能は無くなり元の貧乏人に戻る。毎日、引き取り金額は倍増する。躊躇しているうちにお守りを手放すのに必要な金額は膨れ上がる。全財産でも賄いきれない。恋人が金を工面したと連絡がある。しかしその恋人は死んだ。画家は元々、このお守りはどこから来たのか調べる。自分より前の持主が勢揃いする。最初は中世の坊主であった。その死後、左手を悪魔が切り取って売りつけていたのである。坊主は自分の墓に左手を戻してくれるよう頼む。

映画の冒頭、画家は坊主の墓を捜して、この修道院に来たのである。悪魔がお守りを盗んで逃走した。画家は追いかける。廃墟の塀の上から落ちて死ぬ。落ちた所が坊主の墓だった。これで左手は元の持主に帰った。

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