小西通雄監督、東映、57分、白黒映画。
警視庁で刑事たちがそばなど飯を食っている。主任のところに課長から電話がある。行ってみると課長の知り合いの皮革会社の部長からの依頼で、失踪した会社の技師を捜してもらえないかと。刑事たちは下町の皮革会社の研究室に行く。二人がいなくなった晩、かなりの言い合いをしていたとか。元々仲が良くなかった。二人がいた部屋にあった白衣に血らしきものが付着している。工場内を捜索する。また家庭や妻などを訪ねる。失踪した二人のうち若い方が名前と学歴を詐称していたと分かる。大学時代の知り合いの名を使っていて、実際は中退だった。
一人がもう一方を殺して工場内の硫酸のタンクで溶かしていた。これに先立ち実際に硫酸で溶かせるのかと、室内で鼠を硫酸のフラスコに入れて溶かす実験をしてみる。かなり酸鼻な場面で今時の映画ではこんなものは映さないだろう。まだまだ鼠が家庭内でも良く見られた時代だからだろうか。ピンサロに行っても鼠が走っている場面が出てくる。最後は犯人を追って浅草の街の大捕物帖である。犯人は新世界ビルの屋上から身投げする。目前で自殺させてしまうという警察の大黒星で映画は終わる。
本作がシリーズ最終作である。あまりの失態にチームが解散を命じられ、もう作れなくなったのかと妄想してしまう。本シリーズは昭和31年から始まり、オリンピックのあった昭和39年までと昭和30年代、東京の高度成長期を描写しており、風景や風俗が映画の主役であると言いたくなる。
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