死の病に侵された少女と青年の恋愛物語。吉永小百合の『愛と死をみつめて』の枠組みである。
大学の山岳部員である仲村はかつての教え子、後藤に会う。後藤の母から後藤は白血病で後、半年の命しかないと聞かされる。後藤が好いている仲村に、後藤の恋人として相手をしてくれと母は頼む。病院で寝たきりで過ごすより充実した生活を送ってもらいたい、と。
後藤は仲村が教育実習している信州の学校まで押しかける。また仲村の兄の家に行ってそこで過ごす。後藤の父親は北米にいて新しい家族と暮らしている。しかし後藤の病気を知った父親は日本までやって来て娘と再会、また仲村に娘を託す。
後藤の周囲は、病気が知られないように注意していたが、後藤自身は病気を知っていた。仲村はそれを後藤から聞かされる。
仲村は後藤を山に連れていきたいと親等に申し入れる。後藤と山頂を目指すが、途中で帰ろうとする。しかし後藤は山頂までとせがみ、仲村も連れて行きたいと言い、後藤を背負っていくうち後藤は亡くなる。当時美少女として人気のあった後藤の記念碑的作品である。病気を背負った少女の物語なのであるが、暗い感じなく、限られた時間を精一杯前向きに生きようとする。正直、この映画を観て思ったのは、非常に優れた出来である。しかしそのために何か素直に感心したと言えないという感じである。こういう印象を持ったのは初めてである。
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