ポプラ社の「世界名作探偵文庫」の一で、南洋一郎の文による。
宝物探しの冒険物語。語り手は医学校を出たばかりの青年、甥の少年とともに偶然手に入れた羊皮紙を基に宝物を捜そうとする。
競合して宝を捜す悪漢たち、彼らとの闘争、謎の美少女出現、古城の隠された部屋、暗号を解く、等々、およそ宝探しの冒険譚の凡ての要素が詰まっている。例えば宝をかつての関係者の子孫が権利を持っている、というくだりを読めばその子孫が誰か検討がつく、など典型的すぎる展開である。
これほどThe宝探しという話もないと思えてくる。
地域が離れている比喩で、東京でいえば中央区と港区と杉並区ぐらい離れている、という記述があるのには笑ってしまった。
著者はDavid Dukeといい、南洋一郎のはしがきによれば本書のみ残して夭折した作家らしいが、詳細な情報はわからず本書の原書名さえ不明である。
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