滝沢英輔監督、日活白黒映画。芦川いづみ主演。
主人公の芦川が幼い頃を回想する。冷たかった学者の父。夫を愛していないような母。房総の海岸へ行ったときの楽しい思い出。優しくしてくれた医者。
現在では父は死、母と二人暮らし。冷ややかな親子関係である。青年と見合いする。傲慢で自分勝手の塊のような男で、相手のことお構いなしで好きなところへ連れていく。
母はある中年男と付き合っている。紹介されるものの、二人の親密なところを偶然見ることもあった。
芦川は見合い相手の強引さに辟易しながら、母との生活から抜け出したいと思い結婚してもよいかの気になる。友人から諭され断わると、相手の男から驚くべき事を聞かされる。気分を変えたく幼なじみの、房総の漁師の妻となっている友人へ会いに行く。手伝いに行っていた学者から出版社を紹介され、勤務し自立していこうとする。
芦川は両親のような夫婦生活だけはしたくないと思いながら、声高に叫び反抗的に親と衝突する娘ではない。ただ自己主張ははっきりと言う。
少し変わった映画かもしれないが、当時としてはせいぜい芦川がやったような抵抗が現実的であったろう。
不幸な少女時代の回想や、母親との関係など暗い感じが全編に漂う映画である。
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