ポプラ社の「世界名作探偵文庫」の一で、江戸川乱歩の訳で出されている。
双子の兄弟が、南米から帰って来る。彼らは恩人の叔父を破滅させた、悪徳実業家等三人に復讐するためである。
はっきりと復讐を三人に通知する。三人は探偵を雇い復讐を妨げようとする。しかし双子たるところを活かし、アリバイ作りは完璧である。やり手の探偵も手が出せない。南米の土人から得た武術を使い、厳重な警備もくぐり侵入し悪者を縛り、目前で復讐する。もちろん殺しはしない。
原作はゾロでお馴染みのジョンストン・マッカレーで、1920年代に双子の復讐を描いたThe Avenging Twinsというシリーズを出した。昭和5年に春陽堂から「双生児の復習」という訳本が出ている。これを自由に子供向きにしたものであろう。
江戸川乱歩の名が使われているが、実際の執筆者はもちろん別であろう。推理小説的な観点からは双子を使う手法の一つの原型となっているようだ。
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