トルストイはシェイクスピアの劇に退屈と反発を感じ、『リア王』を例にとって、いかにシェイクスピアがつまらない劇を書き、過大評価されているかを論じた。それに対するオーウェルの反論である。オーウェルはトルストイの指摘が間違っているとも示しているが、そもそも論としてトルストイが言うようにシェイクスピアの劇は本当はつまらないのに、高い評価を受けているのは偉い人がほめるからただそれに従っているのだ、という考えに反論している。優れているかどうかは、多くの人に長い間、読まれ続けるかによって決まると言う。
更に面白いのは、オーウェルに言わせるとリア王とトルストイはよく似ている。外見もそうだが、自分の思うままに振舞って、それは確かに一見立派に見えるものの(王位を譲る、自分の著作権や財産を放棄する)、その行為によって周りがちっとも自分の思うように反応しないので、怒り狂う態度である。そういったリア王、トルストイの比較論をしている。(オーウェル評論集2、平凡社、2009)
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